人間ドックを受けることは、日本の経済損失を減らすことへの貢献にもつながります。病気になって働けなくなってしまうと、それだけ労働者の数が減ります。すると、労働人口の減少により、経済的な損失が生じてしまいます。確かに、人間ドックを受けたからといって必ずしも健康になるとは限りません。
しかし、人間ドックを受ければ早期発見・早期治療が可能になり、病気のリスクを少なくしたり、医療費を抑えた治療が可能になります。そのために、日本の予防学会では20歳以上の人に対して、積極的に検査を受けるような促進運動を行っています。サラリーマンに対しては検査の時に健康保険から補助金が受け取れるようなシステムを利用出来るなどの運動も行っています。医療が発達したことで、治せる病気の数は増えました。
過去には不治の病いと言われていたがんなどの重篤な病気に対しても、有効な治療法が確立してきています。しかし、それはあくまでも手立てがある早い段階で発見できた場合です。どんなに有効な治療法があったとしても、病気が進行してしまっていると、手遅れということにもなりかねません。病気が原因で働けない、介護が必要、という状況が多くなればなるほど、日本の経済的な損失は大きくなります。
また、それにより不景気になるといった負のスパイラルが生み出されてしまいます。健康だから人間ドックを受ける必要はない、と言い切る人もいますが、それは逆です。人間ドックは健康なうちに受けておくべき検査だからです。